闘争形質の進化・武器形質多型の進化の研究結果について【雑感】

皆様、こんにちは。


何時もふざけてばかりの、うしくんです。

昨日の超おバカな記事に打って変わり、

今回はまじめな話で逝きます。


先日、面白い研究報告の記事を読みました。

東京大学の岡田泰和助教授らによる甲虫の武器と翅に関する研究です。

クワカブマイスターさんセーケンさんが記事にされていますが、

私なりの見解を書きます。



今回発表された研究報告の内容ですが、甲虫が持つ「武器」の大きさが、幼虫時代の栄養状態で決まる仕組みを解明したとのことです。

※要はクワガタに見られる原歯・中歯・大歯の変化を解明したとのこと。


カブクワなどで幼虫時代の栄養状態によって、成虫の武器の大きさが変わることは過去の飼育実績で判明しており、ブリーダーの皆様にとっては何をいまさら…と、思われるかもしれませんが、その仕組み自体を解明したこととなります。

※例としては「アクセルを踏むと自動車が動く」という事実に対して、「アクセルを踏むと何故自動車が動くか」が判明したという事です。


研究報告の内容を簡単に紐解くと、生き物は親から「DNA」を受け取ります、「DNA」は決まった塩基配列情報(ゲノム)であり、その個体の身体的特徴があらかじめ決めている先天的な設計図のようなものです。それは両親から受け取るので両親の特徴(色や身体的特徴)が子供に表れます。

それに対し、DNAの「ゲノム」に施されたそれ以外の情報を「エピゲノム」と呼び、「エピゲノム」は「DNA」などに色々な物質が結合したり離れたりして、遺伝子の働きを制御する働きがあります。環境に応じて遺伝子の働きを調節することから、後天的に変化するものが「エピゲノム」ということになります。

※これを料理に例えると、DNA(ゲノム)は基本的なレシピであり、「エピゲノム」は味の微調整やアレンジとなります。


カブクワの武器の発育については「エピゲノム」が関わっており、「エピゲノム」のスイッチを司る2種類の「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)」が、武器の大きさを決定する遺伝子を制御していることが分かりました。

2種類のHDACのうち、一方の働きを弱めると武器が大型化して羽が小型化、もう一方を弱めると武器が小型化して羽が大型化したとのことです。


生物学的な解釈によると、栄養が良く大きく育つ個体は、他の雄に争いで勝てるよう武器を巨大化させる方向に働き、逆に栄養が悪くて大きくなれない個体は武器を小さくして羽を発達させることで機動力を高めて他の雄を争わずに効率よく餌や雌を得るのです。

自然界で遺伝子的な進化を行わずに環境に応じて特徴を変化させるという、非常に素晴らしく効率的な生体システムですね♪


このようなシステムはマダガスカル島のゴキブリ(ヒッシングコックローチ)でも認められるみたいで、虫にとっては当たり前のシステムなのかもしれません。

関連記事:戦士か恋人か、戦略「選ぶ」ゴキブリを発見


化学的なアプローチから考えると、この2種類の「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)」を薬で制御すれば、クワガタの大歯やコーカサスのロングホーンを出すことは簡単な訳ですが、それはカブクワ飼育をする上で面白くないですし、これが主流になってほしくないですね。

※私は薬を使わず飼育方法を試行錯誤してアラガールのスーパー大歯を目指しますよ!


最後に今回の記事で思ったことなのですが、以前から「小さい体の大歯」や「大きな体の中歯」が生まれる事が気になっていました。

この現象を研究結果から推察すると、孵化から蛹化まである幼虫の育成期間のうち、特定のタイミング(恐らく特定の期間)で武器の大きさを決めていると思われ、そのタイミングでは栄養過多で大歯に決定したが、最終的に栄養不足で大きく育たずに「小さな体の大歯」になる。逆に武器の大きさを決めるタイミングで栄養が不足したものの、後に栄養が豊富となり「大きな体の中歯」が育つ事が考えられます。


アラガールでスーパー大歯を目指す上で、大きく育てる方法(餌・温度)も必要ですが、大歯を決定づけるタイミング(初令?2令?三令初期?三令中期?三令後期?)も見つけて飼育に生かしたいものです。

※スーパー大歯がDNA(ゲノム)による遺伝だったら話は別ですけどね(笑)



今回は甲虫における武器若しくは飛行能力の選択因子に関する研究ですので、大型個体の作出とはちょっと違います。やっぱり、大型を目指すには「エピゲノム」による大きな武器の選択だけではなく、優良なDNAの選択(大きな親の選択)もしくは遺伝的な進化の方が大事なのでしょうね。


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こんばんはヽ( ´ ▽ ` )ノ

今日はやけにマジメな内容でしたね(T ^ T)

僕もこの記事は昨日の夕方くらいに見つけて読みましたよ♪

アホな僕には難しかったですけど(=_=)笑

内容的に簡単に言うと・・・
簡単に立派な顎やツノを作れる様になる・・・という事ですよね♪

僕は正直、解明されて記事にニュースに載ってたけど、大した問題でも無いような気がしました(笑)
あくまでも僕の見解です^^;

これが主流になっても、それぞれブリードの楽しみ方や拘りもあるでしょうし♪

どうせなら、もっと夢のある発見をして欲しかったなぁ〜っていうのが僕の感想です(笑)

例えば・・・お金が倍々に増える道具とか・・・石原さとみや新垣結衣と簡単に友達になれるとか・・・(笑)

こんばんは

今回の研究では、大顎やロングホーンを人工的に制御して作出したりできるけれど結局はそれに向けたスイッチを入れることはできても実際には体を構成する栄養素が足りなければ大きくなれないですから大歯の大型をつくるのはこの研究だけでは難しそうですね。
しかし、人間は弱い生き物ですからどうして楽をして結果を出したくなるのも確かですのでこの方法が確立されればおそらく飛びつく方がかなりいそうです。
もしそうなれば、少なくても今のヤフオクでの取引やショップはほとんど生き残れませんね。目で見てわからないのですから買う気にはなりませんよね。さらに、菌糸瓶やマットなども高級品は売れないでしょう。
飼育だって大きさだけじゃないといってもおそらく大多数の飼育者が飼育をやめるか規模を縮小してやるようになるでしょうね。
今後の展開によっては大変な事態になりそうな気がします。(;´・ω・)

KAZさん!おは♪

> 今日はやけにマジメな内容でしたね(T ^ T)
>
> 僕もこの記事は昨日の夕方くらいに見つけて読みましたよ♪
>
> アホな僕には難しかったですけど(=_=)笑
>
> 内容的に簡単に言うと・・・
> 簡単に立派な顎やツノを作れる様になる・・・という事ですよね♪
>
> 僕は正直、解明されて記事にニュースに載ってたけど、大した問題でも無いような気がしました(笑)
> あくまでも僕の見解です^^;
>
> これが主流になっても、それぞれブリードの楽しみ方や拘りもあるでしょうし♪
>
> どうせなら、もっと夢のある発見をして欲しかったなぁ〜っていうのが僕の感想です(笑)
>
> 例えば・・・お金が倍々に増える道具とか・・・石原さとみや新垣結衣と簡単に友達になれるとか・・・(笑)


KAZさ~ん

まじめな記事にまじめに返す…
「好意に値するよ」 つまり 「好きってことさ」←エヴァ第24話より(笑)

カブクワを飼育している人は大歯を簡単に出すために研究していると思いがちですが、今回の岡田助教授様の研究は簡単に大歯を出すのが目的ではなく、DNAやエピゲノムの働きがどのように行われているかの研究で、その確認方法がクワガタの武器の変化だったというころなんですよね~
つまり、エピゲノムの働きを解明したことがメインで、大歯を選択的に出せるのは結果及び副産物です。

この結果を基に大歯を出す薬を製品化する事は主目的ではないのですが、
誰かが儲け話として持っていけば、乗ってくれるかもしれません(焦)

私はドーピング行為は嫌ですが、このような仕組みを理解するのは大好きです♪

最後に私もお金が楽に儲かる研究やガッキーにバックハグされる方法が知りたいです。

KKMさん!おはです!!

> 今回の研究では、大顎やロングホーンを人工的に制御して作出したりできるけれど結局はそれに向けたスイッチを入れることはできても実際には体を構成する栄養素が足りなければ大きくなれないですから大歯の大型をつくるのはこの研究だけでは難しそうですね。

そうですね~
このような問題はカブクワ飼育だけでなく、
趣味でいろいろな生物を飼育している方、全てに係る問題ですね~

遺伝子研究も進んでいるので、
バケモノみたいな大きさを出すのも、
時間の問題かもしれません(汗)


> しかし、人間は弱い生き物ですからどうして楽をして結果を出したくなるのも確かですのでこの方法が確立されればおそらく飛びつく方がかなりいそうです。
> もしそうなれば、少なくても今のヤフオクでの取引やショップはほとんど生き残れませんね。目で見てわからないのですから買う気にはなりませんよね。さらに、菌糸瓶やマットなども高級品は売れないでしょう。
> 飼育だって大きさだけじゃないといってもおそらく大多数の飼育者が飼育をやめるか規模を縮小してやるようになるでしょうね。
> 今後の展開によっては大変な事態になりそうな気がします。(;´・ω・)


おそらく、この研究結果を商業的に利用するとなると、
大手のカブクワ飼育メーカーが安定して形の良いカブクワを量産し、
安い価格でデパートの卸して子供に売りつけるのが行きつく先かと…

そのような未来になると、カブクワ自体の商品価値もなくなりそうですし、
市場としても成り立たない気もしますがね…(汗)

できれば、今回の研究結果は遺伝子解明レベルで終わって頂き、
商品化は避けて頂きたいものです。

我々の楽しみを奪ってほしくないですね。
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うしくん

Author:うしくん
外国産のカブトムシ・クワガタの飼育をしています。大型・美形を目指して日々精進していきます!!

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